水中ポンプにおける可変周波数駆動の利点
可変周波数駆動と出力フィルタの利点、選択するタイミング、および正しい使用方法について説明します。
可変周波数駆動(VFD)は、多くの施設、用途で水中モータとともに使用されます。このモジュールではVFD運転で関連性の深い、いくつかの事例をご紹介します。また、出力フィルタの利点についても説明します。
一般的に水中ポンプで可変周波数駆動を使用する主な利点は、ポンプ設備の調節ができることです。ポンプの速度調整や、時間の経過とともに変化するポンプの水需要に対応するなどの、パラメータ設定に関わらず、VFD運転は多くの点をもたらします。
鉱山や建設現場では、建物、道路、トンネルなどの建設中、溢水しないよう地下水の水位を下げ、それを一定に保つ必要があります。VFD運転でこれを簡単に行うことができます。
VFD運転は、井戸から水栓まで直接ポンピングする給水用途にも使用されています。ここでの、一般的な目的は、加圧された貯蔵タンク内の停滞水量を減らすこと、また、変化する水需要と井戸の状態に関わらず、一定の水圧を保つことです。
このほか、VFD運転に適した用途としては、建物に一定の温度を供給する際に使用される地熱井です。これは、熱交換器を介して最適な流れを確保し、熱交換器へのポンプの流れを変えることで可能となります。
給水用途の場合、水の需要は1日、または1年が経過する間に変化する場合があります。たとえば、水の使用量が冬よりも夏の方が多い場合、需要に応じて、ポンプの回転速度を簡単に調節できます。
ポンプ出力の変更を必要とする他の用途に大型噴水が挙げられます。このような施設では、バリエーションに富んだ水の柱を得るために、水圧を常時変えなければなりません。このように設備の調整を行うことで、可能な限り効率的な方法で、水を使用することができます。
以上のような方法をとることで、井戸が与えることのできる水量を正確に汲み上げることができ、汲み上げすぎによる井戸の渇水を防止することができます。
VFD運転の利点を受ける用途について、いくつか見てきました。次に据付作業時に、注意すべき点を確認しましょう。まず、システムのサイズ選定を適切に行う必要があります。VFDの使用には、ポンプの速度を上げると、要求される出力に大きな影響を与えることに注意します。たとえば、回転数が 2 倍になった場合、流量が2倍になり、圧力は4倍になります。そして、出力需要は 8倍になります。
次に、出力フィルタについて、見ていきましょう。グルンドフォスでは、正味電力供給が380V以上の場合、水中ポンプでは出力フィルタを取り付けるよう推奨しています。電圧がこの制限を超えた場合、その信号はモータに損傷を与え、その寿命を縮めることがあります。出力フィルタはそのリスクを低減します。
出力フィルタには、3つの異なるタイプがあります。ラインチョーク、dV / dt、正弦波です。最初の2つは基本的な出力フィルタですが、当社では正弦波のフィルタの使用を推奨しています。正弦波フィルタは、380V以上の可変周波数駆動の出力フィルタへの使用が推奨されます。VFDが使用される典型な例が、水中の設備で、可変周波数駆動は、矩形波信号を含む正弦波を送信します。しかし、正弦波フィルタが加わると、矩形波信号が純粋な正弦波信号に変換されます。この働きによって、モータの寿命が延びるだけでなく、シールド延長ケーブルが不要となり、設備コストの削減につながります。
最後に、水中設置のケーブルについて簡単に触れてみましょう。VFDが使用される典型な例が水中の設備で、シールドありのケーブルとシールドなしのケーブルです。本管からVFDへのケーブルは、シールドがありません。VFDと出力フィルタ間のケーブルには、シールドがあります。フィルタからポンプのモータへのケーブルは、シールドがありません。
以上で、水中ポンプ設備における可変周波数駆動と出力フィルタの説明を終わります。重要なポイントについてもう一度簡単に見ていきましょう。
1. VFD運転は、ポンプのパラメータを一定にする、または変化するポンプの水需要に対応する、どちらの場合にも大きな利点をもたらします。
2. VFD運転は、通常の給水、鉱山、建設現場など多くの用途で利点をもたらします。
3. 出力フィルタには3つの異なるタイプがあり、正弦波フィルタが推奨されます。このフィルタはモータ寿命を延ばし、設置コストを削減します。