このモジュールでは逆浸透の基本原理、水中の溶存固形物を除去する効果、産業用逆浸透システムの主な機能、スマートポンプCREで複雑さを軽減しながら効率を向

上させる方法について学びます。浸透とは、半透膜を通して水が希釈溶液側から濃厚溶液側に透過する自然現象です。

半透膜は水を透過させますが、ほとんどのイオンと溶存固形物を拒絶します。浸透平衡に達するまで水は移動します。しかし、つりあう浸透圧以上の圧力が濃厚溶液側に掛かると半透膜を水だけが透過し濃厚溶液に不純物が残ります。これが逆浸透です。

限外ろ過が水中の懸濁物質を除去できるのに対し、逆浸透はイオンや重金属などの

溶存汚染物質を除去することができます。両方の技術の組み合わせは、通常、水の再利用などにおける物理的処理に適用されます。

一般的な産業用逆浸透膜はスペースを節約しながら表面積を増やすために円筒状に巻かれた数層の平らなシートによって構成されています。

この円筒は圧力容器の中に設置されます。給水口から入った原水は膜の表面上を流れます。透過水（純水）は中心の管に集められ、残りの濃縮水（排水）は終端部に集められます。

給水口からの原水に対する透過水と濃縮水の量の関係は阻止率と呼ばれます。

逆浸透が機能するには、かなりの圧力が必要であり、エネルギーを必要とするプロセスと言えます。

ここで、基本的な逆浸透（RO）システムに最低限必要とされる構成要素を見てみましょう:まず、給水口側には原水の圧力を上げるためのポンプが設置され、その先に逆浸透膜があります。

そしてその反対側には2つの出口水流があり一方が透過水（純水）の出口で、もう一方が濃縮水（排水）の出口です。通常、背圧弁または絞り弁が膜内の圧力を高めるために濃縮水出口に設置されます。

流量センサも2つ使用されます。一つは透過水側に、もう一つは濃縮水側にあり、

プロセスにおける阻止率の調整に使用されます。システムのセットアップの際、濃縮水側の弁は全開で濃縮水側に全流量が流れますが透過水側には流れがありません。

これは、水が幕を透過するための十分な圧力が存在しないためです。背圧弁を調整することで、最適な阻止率まで圧力を上げることができますが、これはシステム設計や処理する原水の質によって異なります。

その意味で、原水には膜の損傷や、システムの性能に影響する様々な化合物が含まれている可能性があります。次に、前処理段階です。前処理が行われていない場合は、炭酸塩、硫酸塩および溶存塩のような化合物が、膜を損傷する可能性があり

これはスケーリングと呼ばれ、システム全体の性能に、影響を与える可能性があります。また塩素や塩化物などの膜腐食性の高い物質は膜を損傷する可能性があり処理の効果を低下させる恐れがあります。

活性炭フィルタや軟水化装置は、通常、前処理のために使用され、最初のステップは膜に入る前に、化学物質の痕跡を除去したり原水から塩素や塩化物を取り除くことです。

しかし、他の前処理の方法として定量ポンプを使用してスケール防止剤などの異なる化学薬品で水を処理することもできます。効率的な前処理は、多くの手間と費用を削減できます。ただし、時間の経過とともに、スケーリングが発生する可能性があります。

原水が膜の中で停滞している場合などです。これは、原水給水口と濃縮水出口の差圧を、測定するセンサを設置することで監視することができます。膜上の堆積物が増加すると、この差圧は上昇します。設定値に達した際には膜を洗浄する必要があります。

この洗浄がフラッシングと呼ばれるプロセスです。フラッシングを行うためには背圧弁に対し、先行弁付きのバイパスがあります。通常の運転では、このバイパスは閉じていますが、膜の洗浄が必要になると開きます。

濃縮水はバイパスに解放され、濃縮水側の流量が増加するため、堆積物が洗い流されます。アプリケーションによっては、フラッシングを原水や透過水で行う場合もあります。

追加の安全対策として、導電センサを追加して透過水の導電率を測定することもできます。膜の完全性が損なわれた場合、不純物や溶解した固体が通過すると、透過水の導電率が上昇し、設定レベルを超えた場合は、透過水タンク内の汚染を避けるためにシステムを停止します。

さまざまな機能やコンポーネントの制御は複雑で、通常はPLCまたは外部コントローラで行いますが、インテリジェントCREポンプを使用するという別の方法もあります。

そして、さらに安全性を向上するには、他のコンポーネントを追加することができます。例えば、誤作動が起きた場合に、給水口を遮断する先行弁や、空運転を防ぐための圧力スイッチです。さらにタンクの過充填を防ぐためにタンクの水位が下がるまでプロセスを一時停止するレベルスイッチなどです。

逆浸透システムにおいて、コンパクトでインテリジェントなCREポンプは設置面積が小さく、高効率でもあるため、処理量１立方メートルあたりの価格が低く抑えられます。

使いやすいインターフェイスで、測定信号はデジタル表示され、遠隔監視のオプションもあります。逆浸透の基本原理と、スマートポンプCREで複雑さを軽減するメリットについてのモジュールはこれで終了です。