海水淡水化システムの紹介
海水淡水化システムの仕組みとポンプが果たす役割について理解を深めます。
世界人口の約 5 分の 1は真水不足の地域に住んでいます。しかしながら、沿岸地域の居住者にとって海は持続可能な水の代替手段となっています。
海水淡水化設備があれば、海水を飲料水に変換して、直接水栓蛇口に給水することができます。このタスクでは、取水から給水まで海水淡水化システムの仕組みとポンプが果たす役割について詳しく見ていきます。
海水淡水化の最初のステップは、処理に必要な海水を取水することです。取水を設計する方法は多くあります。どの方法をとるべきかについては、水需要や海水の質などさまざまな要因に依拠します。
小規模なプラントの場合は、水中ポンプが装備された海辺井戸を使用する方がよいでしょう。この方法ですと、天然フィルターの役目をする砂があるため、プラントで事前ろ過を処理する必要がなくなります。
大規模なプラントまたは汚染された沿岸付近にプラントが位置する場合、ドライ陸上設置ポンプとパイプラインを使用する方法がよいでしょう。パイプラインを使えば、より多量に取水できるだけでなく、汚染地域外からの水を取水することがもできます。
次のステップは化学的な前処理です。前処理には、水から大きな粒子を分離させるため、バクテリアや羊毛綿状物質を除去する塩素を加えます。この処理では、化学物質の正しい量を確定確保するに当たり、ために正確な給水薬注ポンプに大きく依拠依存します。
前処理が完了しますと、初期段階としてのろ過処理を行います。繰り返しますが、海水淡水化の方法は水の質によります依拠しています。最も一般的な方法は、水を微細なメッシュカートリッジ・フィルターでろ過する前に、枝、海藻、その他の固体粒子を除去するために、砂、小石、砂利でできた層を有するマルチメディア・フィルターに海水を注入する方法です。ただし、このろ過方法の代わりに限外ろ過UF膜の方法も使用可能です。
この初期段階でのろ過処理においては、適切な圧力を維持するために給水ポンプまたはエンドサクションポンプが必須で、適切なろ過処理を確実に実施する必要があります。ポンプも高圧ポンプに十分な入口圧力を与える働きをする必要があり、これによって逆浸透処理が可能になります。
逆浸透法は、さまざまな意味において海水淡水化の要となります。高圧ポンプによって、海水が半透膜を通過して、大きな塩分子から水分子を分離します。膜によって、浸透水がシステムを通過し、同時に濃縮塩水を排除します。
塩水はシステムをかなり高圧に保ちます。このエネルギーは、タービンまたは圧力交換装置によって、逆浸透処理工程において回収、再利用することができます。実際には、このエネルギーを利用することで最大 60% の省エネを実現できます。
逆浸透膜は水分子以外はすべて濾過します。この場合、PH 値を調節して必須ミネラルをその後に追加する必要があります。そのためには水を石灰石フィルターでろ過します。繰り返しますが、最終の水の飲料水としての安全性を確保するためには正確な給水薬注システムと給水薬注ポンプが不可欠です。
水は、配水用バッファー タンクに移動する前に最終的な消毒が行われます。天然の海水だったものがクリーンで安全な飲料水となります。
以上の簡単な説明が示すとおり、海水淡水化には万能のソリューションは存在しません。一般的には、海水淡水化の計画を進めるに当たり、水質分析に重点を置きます。本セッションでは、適切なシステムセットアップ、ポンプ、膜、フィルターなど個別のコンポーネントの選定する際に必要とされる情報を提供します。
適切なポンプとシステムを選定することによって、信頼性と水質を高めるだけでなく、コストを削減して海水淡水化を経済的に実行可能なソリューションとします。