太陽光発電ポンプシステムの概要

太陽光発電ポンプシステムの基本と、さまざまな用途について説明します。

ポンプを稼働するディーゼルなど一部のエネルギー源は、必要以上に高コストになっています。これに対する解決策が太陽エネルギーです。太陽光は運転コストがかからないため、水の生産または供給用のどんなポンプシステムでも利用できる、最適なエネルギーです。

このトレーニングモジュールでは、太陽光発電ポンプシステムについて説明します。まず、太陽エネルギーの概要と、想定されるパフォーマンスについて説明します。その後、太陽光発電ポンプシステムの主な利点を詳しく見ていきます。最後に、具体的な例を使って、太陽光発電ポンプシステムによって発揮される大きな効果を確認します。それでは始めましょう。

太陽光をエネルギー源として利用する傾向は世界中で高まっており、家庭用、商業ビル用のエネルギーなど、さまざまな目的のために使用されています。太陽は晴天であれば最大600~1000W/㎡、曇天日でも約 50~300W/㎡を供給できます。この電力量を左右するのは、天候だけではありません。太陽光パネルは気温にも影響を受けます。例えば、気温が高いと電圧は低下し、一方で、電流はあまり変化しません。したがって、電力が低下します。

快晴の場合、太陽光は約10時間照射されます。と言っても、10時間継続して同じレベルの電力が得られるわけではありません。例えば、朝6時に太陽が昇ったとしても、太陽光の照射レベルは、ソーラーパネルに電力を供給できるほど高くはないのです。通常、太陽光発電ポンプシステムは、太陽が昇っている午前10時から午後4時の間に大半の電力を確保します。

ポンプシステムに電力を供給するという点で、太陽光発電の技術は、近年急速に普及が進んでいます。その理由を詳しく見てみましょう。

まず、コスト面についてです。太陽光パネルの初期コストは、 以前はかなり高いものでした。しかし、現在、太陽光パネルの価格は下がり続けています。ということは、コスト回収期間が以前よりも短くなっていると言えます。また、電力が太陽光によって供給されるため、運転コストがかかりません。それに比べて、ディーゼル発電機の運転コストは非常に高額です。

その他に、太陽光発電ポンプシステムの利点には、メンテナンスコストが低いことが挙げられます。実際、太陽光パネルで必要となるメンテナンスといえば、時々掃除をすることだけです。一方、ディーゼル発電機は、 十分なメンテナンスに加え、定期的に給油をしなければならないため、常に注意が必要です。

次に、太陽光発電システムの環境負荷の低さについてです。太陽光技術の際立った利点の1つに、クリーンな自然エネルギーが利用されている点が挙げられます。排気ガスが発生するディーゼル発電と比べると太陽光発電は、エネルギー効率の高いソリューションと言えるでしょう。

ここまで、太陽光発電の主な利点について説明しました。次に、太陽光発電ポンプシステムが、実際にどのような働きをするのかに目を向けてみましょう。

まず、 小規模な農場の例を見ていきましょう。太陽光発電ポンプシステムを使用して、家畜に水を与えるのに選ばれているのが、グルンドフォス のSQFlex 深井戸水中ポンプです。まず、井戸や貯水ピットの中にポンプを据え付けます。ポンプは太陽光発電によって、飼い葉桶に水を汲み上げます。飼い葉桶がいっぱいになると、ポンプはCU200コントロール・ユニットを通じて送られるレベルスイッチの信号によってオフになります。ただし、水をポンプで送り続けることもでき、貯水タンクに溜めておくこともできます。

これは太陽光発電ポンプシステムの、使用例の1つに過ぎません。その他、遠隔地にある家庭、灌漑用地、電気のない農村部や災害時にもポンプで水を送ることができます。

これで太陽光発電ポンプの基本をおさえました。それでは主な利点を確認しましょう。

1. ソーラーパネルは価格面でお求めやすくなっています。運転コストはかからず、コスト回収期間はますます短くなっています。

2. 太陽光発電ポンプシステムに、メンテナンスはほとんど必要ありません。

3. 太陽光発電ポンプシステムはクリーンな自然エネルギーを使用します。

コース概要

モジュール
モジュール: 3
完了時間
完了時間: 25 分
難易度
難易度: 中級