事例
Jabil 社がデータ駆動ポンプでエネルギーとCO2を削減
Jabil 社は、アイルランドの Bray にある医療機器製造工場で、少なくとも15%のエネルギー削減を希望していました。グルンドフォスのエナジーチェックアドバンスにより、削減の可能性が明らかになったことで、同社はポンプを最新のグルンドフォスのスマートポンプに交換しました。同社は、特にデータ収集と監視の結果に満足しています。2014年以来、Bray の施設では以前のポンプよりも50%エネルギーが節約され、年間150トン以上のCO₂が削減されました。
状況
Jabil 社は世界30カ国に100の拠点を持つ世界最大級の製造ソリューションプロバイダーです。アイルランドの Bray においては、Jabil 社はヘルスケア産業向け部品を生産しています。
2030年までに事業活動における温室効果ガス排出量を50%削減するという Jabil 社の目標の一環として、同社のグローバル拠点は戦略的投資とイノベーションを通じてエネルギー使用量の削減に取り組んでいます。
Jabil 社のBray工場・生産技術マネージャーである Migdo Natal 氏は、この工場でエネルギーを削減する方法を探していました。「その一つが工場設備でした。より具体的に言うなら、ポンプです。」と彼は言います。
ポンプメーカーから数種類の提案を受けた Natal 氏が最も気に入ったのは、グルンドフォスからの提案でした。グルンドフォスのエリアセールスマネージャーの Stuart O’Kennedy から、同工場のポンプに対する エナジーチェックアドバンス の実施が提案されました。エナジーチェックアドバンスでは、現在のポンプパフォーマンスを詳細に分析し、冷却塔、プロセス冷水、プロセス冷却塔、コンデンサー、プロセス水といった用途のポンプシステムにおける節約の可能性が特定されます。
ソリューション
最初にテストされたポンプは、新しい熱回収システムの一部でした。これは、製造ラインのエアコンプレッサーから発生する熱をオフィスや製造エリアの暖房に利用するものです(現在も利用中)。
これは、私が本当に誇りに感じていることの1つです。
「当社は、水の圧力と温度を監視できる信頼性の高い循環ポンプを探していました。グルンドフォスにはそのポンプがありました」と Natal 氏は言います。「Stuart がそのポンプを使うことを提案してくれました。このポンプは非常にシンプルでスマートな運転が可能で、セットアップもプログラムもとても簡単でした」。
ここで選ばれたのが、グルンドフォスのスマートポンプです。「それは2014年のことで、それ以来24時間365日稼働しています。問題は一度もありませんでした」と彼は続けます。「熱回収システムによってガスをカットすることができるため、現場ではガスを一切使用していません。その結果、長年にわたって大きな節約を実現しています。」
データ駆動
最初のポンプ交換がすぐに成功したことで、より大きな計画が始まりました。
「そこから、工場や製造機械を支える大型の産業用ポンプ、つまり生産ラインに冷水、冷却水、プロセス水を供給するポンプの交換をターゲットにするようになりました」と Natal 氏は言います。
過去8年間で、 Jabil 社はグルンドフォスのHydro MPC、NBE、CRE、TPEポンプを2つの建物の6つの回路に設置し、さらに2つの回路にも設置をする予定です。ポンプは、必要な負荷に応じて適切な電力量で可変速運転され、以前の固定速ポンプよりもエネルギー、CO₂排出量、費用を節約しています。
製造の多くはISO認証のクリーンルームで行われます。「クリーンルームの一部では冷水を使用しており、グルンドフォスのポンプによってチラーから送られています」と Natal 氏は言います。「ポンプの故障は許されません。部屋の温度が維持できなくなり、クリーンルームが規格外となるため、生産を停止せざるを得なくなります。これは決して起きてはならないことです。当社の事業に甚大な悪影響を及ぼします」。
グルンドフォスのポンプの信頼性は Natal 氏にとって不可欠なもので、特にデータ駆動ポンプの結果に満足しています。
「ポンプは多くのバックアップデータを生成し、『この温度でこの量の水を供給するには、このポンプが必要 』と表示してくれます。データと設備を保有していて、ポンプから実際にデータをダウンロードできるというのは非常に助かります。人は色々なことを言いますが、それは事実とは異なるものです。一方でデータは嘘をつかない。ですから、そのデータに基づいて、当社はグルンドフォスのポンプとシステムを信頼、信用したのです。」
また、ポンプは全ての測定値を保存しているため、ユーザーは流量を監視して傾向を把握して、プロセスの継続的な改善が可能になる、とNatal 氏は付け加えます。
「この全てのデータがあれば、何が正しいのかが分かります。つまり、配管の問題なのか、漏れの問題なのか、プラント内の何らかのシステムの問題なのかを知ることができます。しかし、それもデータがあり、システムからの正しい信号があればこそ可能なのです。そして、グルンドフォスのポンプはこれを提供してくれます。」
成果
9年間で、グルンドフォスのポンプは Jabil 社の Bray 工場で約408,000kWhの節約を生み出しており、これは以前のポンプに比べてエネルギー消費が50%削減されたことを意味すると Migdo Natal 氏は言います。同時に、これは年間150トン以上のCO₂削減に相当します。ポンプの交換は、あと2回行われる予定であり、それらの設置後には年間542,267kWh以上の削減を見込んでおり、これは205トンのCO₂削減に相当します。
ポンプ以外にも、この施設では多くの省エネプロジェクトが実施されています。「以前は年間20ギガワットの消費量でした」とNatal 氏は言います。「それが10年前の話です。そして、現在では12-13ギガワットに減っています。つまり、年間7-8ギガワットの電力が削減され、数百万ユーロの節約になっているのです。」
お客様の声 :
「振り返ってみると、エネルギーの節約とそれによって得られた金額だけでなく、二酸化炭素排出量を削減し、工場をよりスリムに、よりクリーンで環境に優しいものにすることで、地球や環境にとっても大きなプラスの成果となっています。これは私が本当に誇りに思っていることの1つです。そして、自身がこのプロジェクトに貢献できたことも誇りに思います。」
同社は地元の Dublin で、アイルランド国内で、そして Jabil 社内で、世界的に省エネとCO₂削減への取り組みを評価されています。同社はアイルランドの持続可能エネルギー局(Sustainable Energy Authority of Ireland:SEAI)へ複数の省エネプロジェクト助成金を申請し、受理されています。Natal 氏は言います。
「SEAIはこのような補助金を簡単には出しません。グルンドフォスは当社を助け、全てのデータを提供してくれました。そして、グルンドフォスがこれらのデータを提示する方法によって、基本的に当社は何もする必要がありません。当社はグルンドフォスからデータを受け取り、それを国の当局に渡すだけです。」
Natal 氏は続けます。
「振り返ってみると、エネルギーの節約とそれによって得られた金額だけでなく、二酸化炭素排出量を削減し、工場をよりスリムに、よりクリーンで環境に優しいものにすることで、地球や環境にとっても大きなプラスの成果となっています。これは私が本当に誇りに思っていることの1つです。そして、自身がこのプロジェクトに貢献できたことも誇りに思います。」
グルンドフォスの供給:
グルンドフォスは、Jabil 社の Bray 工場に エナジーチェックアドバンス を供給しました。この結果を受けて、2つの建物にHydro MPC、CRE、TPE、NBEを含むグルンドフォスのスマートポンプが数セット供給されることになりました。アプリケーションには、一次冷却水、プロセス冷却水、冷却塔、コンデンサー、プロセス水が含まれます。グルンドフォスの産業用スマートポンプについて、詳しくはこちらをご覧ください。
設置事例の概要:
- トピック: 産業用エネルギー最適化
- 場所: Bray(アイルランド)
- 顧客: Jabil 社
出典
本記事の内容は、2023年6月15~16日にアイルランドのBray(Dublin)にあるJabil社の施設でのインタビューに基づく。