事例
グルンドフォスBoosterPaQ が製薬会社の1万7,000ドルのコスト削減と32.6kWhの省エネをサポート!
製薬業界では、持続可能なオペレーションを確保するために、コスト削減やエネルギー効率の高いソリューションが求められています。製薬には水の使用が不可欠であるため、流体の移送に役立つ様々な製品が市場に出回っており、コストやエネルギーの節約が模索される分野の一つとなっています。グルンドフォスの遠心ポンプは、豊富なオプションを有するソリューションにより、コストとエネルギー節約の機会をご提供します。Midwest Pharmaceutical 社がこの技術を活用し、17,000ドル以上を節約し、エネルギー消費を年間32.6kWh削減し、CO2排出量も削減した方法をご覧ください。
状況
Midwest Pharmaceutical 社では、工場内の複数のボイラーの給水ポンプとして長年グルンドフォスCRポンプを使用していました。時代の変化と共に、システム内のこれらのポンプの構成や運転モードでは、より高いエネルギー効率や信頼性が必要になり、状況を改善するソリューションを求めてグルンドフォスに相談しました。当時、同社が望んでいたのは、目の前の課題を解決するだけでなく、工場の生産量を増やすことであり、それはボイラーシステムへの需要も増えることを意味していました。既存のポンプの構成と運転においては、「ポンプ1または2の故障率が高く、メンテナンス作業員がポンプを交換もしくは修理するまで、蒸気圧の損失が起きていました」。既存のボイラーシステムは、3台の独立した固定速CRポンプで構成されており、2台のポンプがボイラー給水、1台のポンプが予備として機能していました。100馬力のオン/オフ運転ボイラー3基に対して1台のポンプで給水がされ、350馬力の連続運転ボイラー1基に対してもう1台のポンプが給水をしていました。
ボイラーシステム再設計の方針はすぐに決まりました。より効率的なポンプ配置によって、既存の問題を解消し、ポンプが現在の流量と揚程のニーズを満たせるようにすると同時に、ボイラーの数とサイズの可能性を考慮して将来のニーズに備えることができると考えたのです。グルンドフォスとの関係性やCRポンプの品質への評価から、同社はグルンドフォスの代理店である OTP Industrial Solutions 社とグルンドフォスのコンサルタントと直接協力し、時間をかけて最善のソリューションを確保するために、システムの新しいポンプを選びました。
2年間かけて複数の選択肢が検討されました。最初に同社は、既存のボイラーを維持し、100馬力のオン/オフ運転ボイラー3基を、将来的には2基目の連続運転ボイラーに置き換える可能性があることを決定しました。
OTP Industrial Solutions 社の Chad Bowen 氏とグルンドフォスのシニアセールスマネージャーである Jeff Welch は、可能な限り最高のソリューションを提供するため、ノースカロライナ州シャーロットからケンタッキー州まで、グルンドフォスの製品、能力、ソリューションを紹介するトレーラーを牽引して Midwest 社を訪れました。トレーラーには、Hydro MPC-E BoosterpaQが搭載されており、製品の実演紹介を行うことができました。最も注目すべき特徴のひとつは、MPC-EのVFDドライブまたは「E」部分で、これによりBoosterpaQの速度が可変となり、システムの需要に合わせて流量や吐出圧力を最適に保つことができます。VFDはまた、ポンプやファンに供給される電力の周波数を制御し、交流電動モータの回転速度を制御します。つまり、VFDポンプを使用することで、大幅な節電が可能となります。彼らはまた、BoosterpaQを制御するグルンドフォス設計・製造のCU 352マルチポンプコントローラの他の高度な機能と使いやすさも実演しました。この実演の成功を受けて、Midwest 社はより強固で長期的なソリューションを構築するためにグルンドフォスとの協業を開始しました。
ソリューション
ボイラーシステムの最終的な流量と揚程の要件が決まると、OPT Industrial Solutions 社の Dave Hancock 氏は顧客やグルンドフォスと協力し、グルンドフォスHydro MPC-E 3 CRE 10-10 BoosterpaQの選定を行いました。BoosterpaQは一定の吐出圧力(ボイラーへの一定圧力)を供給します。
効率的でありながら「設置が簡単」で「プラグ&プレイ」なポンプシステム(スキッド)を求める Midwest 社の要望から、ニーズに合わせてカスタマイズできる設計済みソリューションが選択されました。システムが設置される工場は連続運転しているため、ポンプ交換には極めて短い時間しか確保できませんでしたが、「プラグ&プレイ」の Boosterpa により、同社は既存のポンプを取り外し、生産を計画外に中断することなく、素早く BoosterpaQ に交換することができました。
社はこのシステムが非常に気に入ったとコメントしています:
・3台の新しいポンプ
・4基すべてのボイラーへの供給
・IE5モータ(NEMAプレミアム効率を2段階上回り、1~15馬力で利用可)
・150psiの圧力維持用に調整されたポンプ速度
・24時間稼働ではなく負荷に応じてポンプを運転する制御システム
・システムを損なわず、1台のポンプの故障を許容するサイズのポンプシステム
・交換と修理が容易なポンプ
・必要に応じて手動制御が可能なスキッド制御
成果
グルンドフォスのBoosterpaQスキッドを設置した結果、 Midwest 社は大幅なコスト削減とエネルギー節約を実現し、VFD機能を活用した完全自律型の信頼性の高いシステムを手に入れました。
現場でお客様に当社のソリューションを紹介できたことは素晴らしいことでした。これこそが、当社がトレーラーを保有する理由です。簡単に製品を持っていくことができます。お客様は直接製品に触れ、実際に運転しているポンプを見ることができました。これに勝るものはありません。その結果、当社はお客様のニーズに応え、ソリューションを提供することができました。このような機会に感謝し、他のお客様とも協業できることを楽しみにしています。
Midwest Pharmaceutical 社のプラントエンジニアによる記録:
- 当初の2台のポンプは20馬力の最大圧力で24時間365日稼働し、余剰量はタンクに送られていた。新しいスキッドでは、より少ない電力で作動するマグネットローターを備えた10馬力の可変速ポンプが使用された。
- 元の2台のポンプの平均使用電力は34.56kWhであったのに対し、新しいポンプの使用電力は約1.96kWhであった(電気代が0.07ドル/kWhと安いため、年間19.8千ドルの節約)。
- 2台の定速ポンプを運転した場合、年間18,483.50ドルのコストがかかっていた。BoosterpaQとポンプステージを使用し、流量需要に合わせて回転数を変えることで、エネルギーコストは1047.21ドルに削減された。
- 推定ROI(投資利益率) - 設置日から2年でスキッド費用を回収(設置日:2019年7月)
- CO2排出削減量 - 年間214トンのCO2削減
- スキッドは2019年7月に設置され、以来故障なく稼働している
Midwest 社はグルンドフォスの BoosterpaQ を大変気に入り、BoosterpaQ の購入・設置から約1年後、LSCE可変速ポンプ2台とグルンドフォスプレート&フレーム熱交換器2台で構成されるコンプレッサー冷却アプリケーション用に、GES(Grundfos Engineered Systems)を購入しました。また、同社は工場の水システムを更新する際に、2台目の BoosterpaQ を購入予定です。