事例
宮崎の浄水場設備に新しい可能性を広げたスマートポンプ
温暖な気候と肥沃な土壌の恵まれ、農林畜産業が盛んな宮崎県都城市には、小規模の浄水場が点在しています。これらを管理・運営している上下水道局では、新しい浄水場の建設にあたり、グルンドフォスのスマートポンプCRNEを初めて採用することになりました。今回、高い省エネ性とともに、モニタリング機能をはじめとするオールインワンのソリューションが評価されたことで、今後の浄水場設計における先進的な変化への期待が高まっています。
現状
都城市は、宮崎県の南西端にある広大な都城盆地の中に位置し、特に牧畜業が盛んな日本有数の農業地域です。中でも都城牛と呼ばれる高級牛肉の産地としても有名です。この地域はもともと市水に井戸水が多く活用され、地域のあちらこちらに小規模の浄水場があります。これらを管轄している都城市上下水道局では、以前よりグルンドフォスの水中ポンプSPや薬注ポンプが多数採用されています。
今回、新しく浄水場を建設することが決定し、配水池用の送水ポンプが検討されました。
ソリューション
工事業者の選定段階において複数のメーカーが候補にあがりました。揚程がある程度必要だったため、当初は他社の立形ポンプが設計コンサルタントにより選定されていました。
陸上ポンプの知名度はまだあまり高くないと感じていたグルンドフォスの担当営業は、まずグルンドフォスの定番である立形多段うず巻ポンプCRNを提案。ただ顧客のニーズや希望を確認したところ、様々な機能を備えたスマートポンプCRNEがよりふさわしいと考え再提案しました。スマートポンプは、 日本では市場認知度の極めて高い省エネ大賞(主催:一般財団法人省エネルギーセンター 製品・ビジネスモデル部門)を2019年度に受賞しています。
グルンドフォスIE5永久磁石 MGE モータの優れた省エネ性能に加え、インバータを活かした遠距離送水におけるウォータハンマ防止機能や、小規模浄水場でのモニタリングとの親和性、通信設備など外付け機器が不要な点などが高く評価され、スマートポンプCRNE10-9が採用となりました。2台設置で交互運転されます。
また、コロナ禍で各種納期や工期が不安定な中、担当営業の丁寧な対応もあり、要求仕様を十分に満たすポンプを迅速に提供できたことも好評でした。
今後の浄水場設計は、初期段階からグルンドフォスのCRNEを取り入れることで、システムの簡素化やコスト削減に取り組みたいです。
導入効果
都城市上下水道局では、元々ポンプ効率や省エネについて関心が高く、グルンドフォスの水中ポンプ採用の理由もそこにあったそうです。
「今回は従来通りのやり方で進んでいた浄水場の設計へ、オールインワンのスマートポンプCRNEという革新的なソリューションを途中採用したプロジェクトとなりました。今後は、浄水場設計の初期段階からグルンドフォスのCRNE を組み込むことを検討しています。省エネへの貢献はもちろん、バス通信またはアナログ信号での通信・調整機能を活かした浄水場設備およびシステムの簡素化を図る設計を行いたいと考えています」と、都城市上下水道局水道課浄水担当の市田貴哉氏は語っています。新規浄水場建設や既存設備更新において、さらに大幅なコスト削減の可能性が期待されます。